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2007年11月14日

花見の終わる頃

 玄関脇の小庭と言えば、畳が一枚か二枚って程度の広さ、いや、狭さである。しかしながら、さる六月、泥酔の力に押されてクリック、クリック。そんないい加減なことで、気がつけば千二百坪余りの土地を持つ地主様となった私である。然れども、今年はそれを何に活かすことのなきうちに終わってしまいそうである。
 まずは、現場を見ないことには話が始まらないよなあ。当たり前だ。先日は、発起したはいいものの、寝惚けたまま飛び出したがために訳のわからぬ道行きとなり、目的地に辿り着ける筈もなく、空手で帰路につく破目に陥った。
 今回は、心を入れ替えて、ちゃんと土地の場所を確認してから、エンジンをかけ……って、今時、随分冷え込んできておりますからね、相当にキックにキックを重ねねばかからんのだろうなあ、嫌だなあ、と今から腰が引けている。何たる根性なし。

 兎にも角にも権利書を確認してみよう……って、あっ……あはっ……やっぱ、そんなことだよね、安かったもんなあ、そうそう近場に土地なんか買えっこないよ。子どもにだってわかりましょう。はは、予想通りですよ。驚くこたぁない。ない、ない。
 判明したことは、単車で出かける必要性はない、というか、単車では辿り着きようがないということ。じゃあ、電車を乗り継ぐのかというと、そんなことでもない。道路や線路があるような地所を小学生の小遣い銭みたいな金額で買える道理がない。では、船? 船で行くのかい? ま、広げて言えば、船なんだけどさ。燃料やらあれやこれやが微妙に違う船でね。NASAとかが作っているやつ。宇宙船ってやつが必要なようである。あはは。

 火星か。遠いなあ。気軽に出かけて、二、三泊して帰ってくるという距離ではない。少なくとも数年は住むような心意気でなくては難しかろう。人気もなくて寂しいところなんだろうなあ。人混みは嫌いな私だけれども、誰もいないってのも何ですなあ。ご近所付き合いもなくなってしまうのか。今日はカレー作りますけど、どうですか、なんて会話もなくなるのでしょう。
 旅は道連れなんて言葉もある。誰か、火星に土地を持っている人がいないものだろうか、とインターネットを検索してみたら、いましたよ。奇遇にも私と同じ杉並に住まっていらっしゃる美しいお嬢さん。その鳥居さんという女性は、中野から杉並に越してきて間もないようだけれど、事情があって、ここを離れたいので火星に土地を買ったと仰っているようである。仲間をひとり(一方的にとはいえ)発見しただけで、少しく元気の出てくるところが、戯けものの典型だよなあと自分でも思う。でも、率直に、嬉しい。

 家内と猫二匹を引き連れ、ご近所であるらしい鳥居嬢を誘い、赤茶けた星へ転居しようかなあ。年内というのではあまりに忙しいので、いつ頃にしますかねえ。地球での最後の花見を終えて、五月頃ではどうだろう。

投稿者 zenta : 2007年11月14日 14:36

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コメント

現在、Z様ご購入の分譲地は早朝4時ごろ東の空にて御覧になれますが、そのやや右上に凄まじい光を放っているのが、皆様おなじみの土星でございます。
火星から区間準急で二駅という好条件、木星よりさらに格安のお値段で輪ッか付き。
小社と致しましては、こちらも併せてのご購入をお勧め申し上げる次第です。

          太陽系不動産 外惑星部

投稿者 guffaw : 2007年11月20日 03:02

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