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2005年03月04日

一杯いくかい

 雪見酒。文字を眺めて浮かぶのは、縁先に腰を据え、独り静かに猪口を傾ける、そんな映像。日本の味てえものでげすな。なかなかに風情があって悪くない。もっとも、それは字面に限ったことであって、雪見に花見に盆暮れ正月、新年会に忘年会、歓迎会に送別会、兎にも角にも、思いつく限りの何もかもを一杯始める口実にしているような呑み助連中にかかれば、どんちゃん騒ぎとまではいかないまでも、風流だの、粋だのなんてえものとは、およそ縁遠い有り様となる。「雪だね。どうだい、一杯いくかい」と問われれば、「もちのろんよ」と即答する。これが、「雪じゃないね。どうだい、一杯いくかい」という問いだったところで、事態が変わるわけではない。結局、呑むのである。そして、酔っ払うのである。

 馬鹿だね。ああ、馬鹿だよ、馬鹿ですよ。だが、こんな馬鹿げた光景こそが、本来のこの国の庶民の姿なのではなかろうか。金だ、株だ、敵対的M&Aだと、人心の世知辛さばかりが矢鱈に目に付く昨今、私はいつまでも一人の熊さんでありたいし、君には八つぁんでいてほしい。

 雪がやんだね。どうだい、一杯いくかい。

投稿者 zenta : 2005年03月04日 20:12

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コメント

WHY NOT?

投稿者 shachi : 2005年03月05日 02:21

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