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2005年03月18日

この忙しいのに

 忙しい。忙しいのだけれど、私の忙しさてぇものは他人には伝わりにくいものの一つである。何しろ、脳内の活動が主であるからして、一見、ぼうっとしているようにさえ見えてしまうからである。それで、毎日暇でよござんすね、などと思われたりするわけで、誠に心外である。心外だなんて言うけどね、あなたてぇ人は口開きゃ、雪だよ呑みたい、梅だよ呑みたい、と、呑みたい呑みたい呑みたいの、呑みたい尽くしの毎日じゃありませんか。そうですよ。その通り。つまり、毎日毎日呑みたい呑みたいと騒いでいるのなら、それは私が毎日毎日呑んでいないことの証しじゃありませんか。これだから道理の判らない人は厭だね。毎日呑んでたら、呑みたい呑みたいなんて言いやしませんよ。傍からどう見えようとも、私は忙しいのである。呑んでばかりなどおれんのである。
 そんな忙しい中、新宿まで出動した。扇好師匠が末廣に出る時には必ず寄せてもらうと心に決めている私である。仲入り後、すーっと出てきて「寄合酒」を実にさらっと演じて、しゃんしゃん。仲入りの端はこんなもんでどうですか、てな具合で、あっさりすっきり。忙しい中やってきている私には少々物足りない気がするものの、全体の中では必要な役回りか。その後も、忙しい、忙しい、と思いながらも、昼の部の取りの扇橋まで、二時間弱を過ごす。寄席で過ごす午後というのは悪くない。けれども、心の中には「忙しい」が渦巻いているもので、本当には楽しめない。ああ、今度は忙しくないときに、のんびり来たいものだ、と思いながら、その日までさらばじゃ末廣亭よ、とバイクに跨がろうとしたら、何だよ、びしょびしょじゃねえか。雨が降りやがったのか。ああ、こんなことだったら、バイクが乾くまでもう少し居座るんだった。そう呟きながらも、忙しい私は濡れたシートをせっせとハンケチで拭い、家路を急ぐのでありました。この忙しいのに、何やってんだろうね。

投稿者 zenta : 2005年03月18日 19:57

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