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2007年04月04日

辻褄2

 辻褄が合わないのが現実世界。自然界で生きる上で辻褄がきっぱりあったりしたら、その方がおかしいぜ、なんてなことを思ったりもしなくない。
 けれども、こういうところはきっちりしてもらわなきゃ困りますがな、ということも、世の中にはたくさんある。

 デアゴスティーニというところから『週刊アーティスト・ジャパン』というようなシリーズが出ている。日本絵画の巨匠様々60人というような触れ込み。ちらっと広告を眺めたところ、蒔絵のデザインのアイディアを求めるには悪くないな、なんて思って購入を始めた。忘れた頃に次の号が届くのもいいし、有名どころの有名な作品は一通り収められるのだろうし、運良く何か拾い出せれば儲け物、ぐらいのつもり。不勉強な私にはお手頃かもね、なんて。
 で、ぱらぱらと数冊が集まったところ、専用のバインダーというものも購入してみた。いやあ、これがいけません。酷い作りでね。大変苦労してもきちんとは収まらず、冊子を傷めてしまう。私が不器用なせいかもしれんからなあ、と家人にも試してもらったが、やはり、話にならない。こんなものが商品として罷り通るのかね、と疑問に思い、読者サポートのようなところに電話してみると、「多少はきつかったりするかもしれませんが、社内では問題は発生していないし、他のお客様からの問い合わせも一切ありません。問い合わせがあった、ということは製作設計のほうに伝えます」と電話を切られそうになる。自信満々の様子であります。正直な話、そんなに胸を張って自社の製品を自慢できるなんて羨ましいなあ、と思ったほどである。しかしながら、私の手元にあるものは、そのような彼女の態度とは裏腹に、どうにもこうにも使い物にならない代物。

 こういう場合、どうやってお互いの心情、事情の辻褄を合わせるのが正しいのだろうか。高い代物ではないんだから、なかったことにしてしまうべきだろか。いやいや、過ちは過ち、先方の将来のためにも正すべし、とも言える。しかし、効率を重視するならば、こんなところで時間や労力を消費している場合ではない……などなどと。
 確かなことは、こんなことを頭の中でくるくる考えているだけでも、不毛な精神エネルギーの甚大なる浪費。その結果、私は今日一日のやる気を失って、かったりぃなあ、などと嘯きつつ、酒に逃避する。


……というようなことではいけません。

投稿者 zenta : 2007年04月04日 11:18

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