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2007年04月10日

ヘビ男爵

 ヘビと競争したことがあるだろうか。2メートル級以上の大物に挑んだことはないが、よくいる普通サイズの奴らなら、梨畑とかで見かけると、ヨーイ、ドン。相手の反応は素早く、瞬く間にトップスピード。まさにリニアモータースネーク。敵はすぐに隠れ場所を見つけてしまうので、勝負と言ってもせいぜい5メートル走とか10メートル走なんだが、私は勝ったことがない。足がない方が逃げ足は速いのだ。ヘビには追いつけない。

 一昨日の花見に参加できなかった無念を胸に、最後の花見を兼ねていつもの散歩コースに繰り出した。五日市街道を下り、善福寺川に出会ったところで左折、川沿いに和田堀公園へ向って遊歩道を進む。あれ、なんだろ、すれ違う人がみんな振り向いて見ている、私の10メートルほど先を歩く男を。目を凝らすと男は右腕に何かを巻き付けている。太い。ん?ヘビ? まさか。と、そのジャケットに山高帽の男はやおら両腕を広げてビヨーン。や、やっぱりありゃあヘビだ。すれ違う人たちも目を丸くして、ヘビだよあれだのアオダイショウじゃんだの話している。あの人、愛蛇を散歩に連れてきたのか?首に縄でも付けててどっかで放しちゃったりするのか? とにかく追跡だ。しかしその歩くの速いのなんの。しかも黙々と背筋を伸ばしつつビヨーンぐるぐる、ビヨーン。私も限界に近い速足で飛ばしているんだが、追いつくどころかどんどん離されてゆく。追いつけない。川が大きく蛇行するところで見失い、走ったが、もうどこにもいなかった。

 まてよ、山高帽でペットにヘビ、と言えば、『時計仕掛けのオレンジ』か。映画には自分勝手な政治家が出てたけど、だとすればあれは何かのデモンストレーションか。都知事選挙に物言いたかったのか。わからない。追いつけない。

投稿者 shachi : 2007年04月10日 01:40

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コメント

 御一報いただければ、最後の最後の花見で一杯におつきあいしましたのに。あ、でも、それじゃヘビ男爵には出会えなかったのか。それはもったいないな。

 新たな都市伝説の誕生の瞬間かもなあ。山高帽のヘビ男爵、車よりも早い摺り足。追いつけない、ではなく、逃げても逃げても追いつかれてしまう、ってな方が伝説化しやすいかな。

投稿者 zenta : 2007年04月11日 19:47

 いやたしかに五日市街道、右折しようかとも思ったんですけでも、何となく左折で、運命でしょうか。
 ヘビ男爵、今度は追いつきたいです、ていうか、追いつくぞ。もしかしてshachiの野郎また法螺吹いてんじゃねえか、とお疑いの方いらっしゃったら、まじで全部、実話です。
 またなにか起るぞ、善福寺川!

投稿者 shachi : 2007年04月12日 04:08

 からす新聞4月号のトップ決定ですな。

投稿者 zenta : 2007年04月12日 08:15

ですね。ところで1月号の書き初め、まだまだ募集してます。

投稿者 shachi : 2007年04月13日 00:13

芸人さんじゃないのかなあ。

それで思い出した話。
僕の長崎の生家って築百何十年のやたらとでかい家でさ、幼稚園の頃はトイレまでの長くて昼なお暗い廊下が怖くてね、それで我慢する癖がついちゃった。それはいいんだけど、ある日その廊下を歩いてたら鼻先掠めて何かがドサッと落ちてきた。もちろん腰を抜かしてお漏らしした僕の目の前を2メートル位の青大将が照れくさそうに、でも悠々と逃げてった。多分、昼寝しててドジッたんだろうね。居るのは知ってたけど我が家のヌシと一回だけのご対面でした。
あいつらイビキかくんだぜ、知ってた?

「くちなわが鳩の雛二羽呑みにけり」
               一笑庵 

投稿者 guffaw : 2007年04月14日 04:55

 芸人説、承りました。
 ヘビのいびきって、話としてはどっかで聞いたことはある気がするけど、そのものを聞いたことはないですねえ。

投稿者 shachi : 2007年04月15日 02:46

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