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2007年04月18日

本能ってやつ

 我が家に二匹の猫がいることは御案内の方も少なくなかろう。一匹は2000年梅雨生まれのちょいでぶ猫。もう一匹は2006年秋生まれの、今のところ、ちょいでぶではない若猫。どちらも近所に捨てられていたものである。多少の差こそあれ、共に飼い猫化しており……って飼い猫なのだからして当たり前と言えば当たり前だが……野性を失ったかのように思える場面が多々。その一番は肥満ですな。自然界では肥満猫や肥満ライオンなどというものがある筈はない(多分)。夏場など、ひっくり返って腹を出して寝呆けおる姿などを目にすると、こんなことでいいのかね、と思うものの、憎めぬものよのぉ、などとも思い、まあ、要するに、ばかな飼い主の典型である。腹が減ったら、狩猟に出かけるのではなく、人間につきまとってにゃぁにゃぁにゃぁにゃぁとくどくどしく鳴き立てたり、出された喰い物が気に入らなければ、ふんっとそっぽを向く。こんなことも飼い猫としてのうのうと暮らしている故のものであろう。

 然りながら、彼女たちの中の野性がすっかり消えてしまったということでもない。暖かくなってきた昨今、御用じゃ、御用じゃ、捕物じゃあー、と、彼女たちはなかなかに忙しい。
 でぶ猫様の方は、ネズミのみならず、ヤモリやカナヘビなどの這い回る系に加えて、ヒヨドリ、ムクドリ、メジロにコウモリなんぞの飛び回る系をも捕獲する。頭のちょい悪なちび猫くんの方でも、ゴキブリやミミズ、芋虫、ガガンボなんぞをくわえて勇んで帰ってくる。生後七日、わずか300グラムの時から人間の手によって育てられているのに、である。
 ゴキブリやコウモリが家の中を飛び回るとなると心の余裕などまるでなくなるし、他のものたちに関しても何とか生きているうちに逃がさねばならんという使命感もあり、家の中はどたんばたんと大騒ぎになる。獲物と猫と人間が狭い家の中を駆け回るわけですから。
 一段落したところで、まったく阿呆猫どもは余計なことばかりしてくれるぜ、などと、些か憤慨してみたりすることもないではないが、考えてみれば、これは彼らの持って生まれた本能によるものであり、猫を憾むのではなく、文句ならそのように連中を作った神に言うしかない。尤も、神というものがおるのかおらぬのか、あるいは、いたのに死んでしまったのか、寡聞にして我輩は存じ上げませぬけれども。

 四月も半ばだというのに、本日はいやに冷え込む雨模様。おかげで猫たちは家に籠もりきりである。今日は捕物騒ぎは起きそうにない。やれやれ。

投稿者 zenta : 2007年04月18日 16:48

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コメント

「猫のゆりかご」の作者への思いを綴った文章、期待してます。

投稿者 guffaw : 2007年04月21日 10:07

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