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2007年10月10日

キアゲハ・ベイビーズ、ザ・ニューボーン

 明日葉に移動したキアゲハの幼虫たちは、食べ物が尽きることがなくなり、がんがん育っていった。そろそろ蛹になる頃合いですなあ、と思っていると、次の朝にはいなくなる。この時期に蛹化するものは、当然、そのまま越冬することになるだろうから、頑丈で、しかも、外敵からの攻撃を受けにくいような場所を探して移動したのだろう、と思っている。想像と願望。いや、きっとそうだ。随分とでかくなって、そろそろだな、というところでいなくなるのだから。
 カアカア烏がいくら賢いといっても、蛹になる直前というほどに大きく育つまで食するのを待ち、さあて、そろそろよろしかろう、と呟いてパクリといく。そんなことがあるだろうか。ううむ。ないとは言い切れない。あるかもなあ。連中はなかなかの知能を秘めておりますからな。
 わりと間近いところで訴えるようにアーアー鳴いておる奴を見つめていると、もしかして、どこぞの王子が魔女に呪いをかけられて烏に変身させられてしまっているのではないだろうか。助けてくれたまえ、我が呪いが解けた暁には、貴公に領地を少しく与えてくれようぞ、と訴えかけている……なんてなことは思いませんが、しかし、それでも、何か人間的なものをアピールしているように思えることは、ある。ふむ。

 明日葉移動組の二匹が十分な大きさになっていなくなった。どこか安全な場所で蛹になってくれているといいな、と思う。さてさて、これで、今年の幼虫騒ぎもおしまいだな、と、安心したような、それでいて、何だかちょっと寂しいような気がしなくもない。いや、気がしなくもなかった。
 その翌朝。うひゃひゃひゃ、何たることか、新しくちっこいキアゲハ・ベイビーズが明日葉の上をうろちょろしているではありませんか。いやぁ、10月だってのに、また産卵ですか。マザー・キアゲハも頑張るなあ。
 もしかして、今度のベイビーズは、ここの明日葉出身のキアゲハの子どもたちなのではないだろうか。羽化までの最短の日数ってどれほどなのかな。わからない。

 孰れにしても、今度のベイビーズは明日葉生まれ明日葉育ちの、根っからの明日葉っ子である。彼らにとっての食草と言えば、当然、第一に明日葉ってことになるのだろう。そろそろ止めようかな、と思っていた、このタフな草を来シーズンも育てなければならんのぉ、という気になりますな。
 我が家のガーデン的なものの本来は、自分たちが食べるようにと思って始めたものなのに、キアゲハのために育て続けるってのも、何だか微妙な感じではあるけれど、ま、しょうがない、しょうがない。これも一つの巡り合わせでございましょう。

投稿者 zenta : 2007年10月10日 00:36

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コメント

何で読んだか忘れたけど、蛾とか蝶って蛹の中で一度ドロドロに液化するんだってね。
目玉とナントカ?以外は一旦溶けてその上で成虫の格好に変身して出てくるんだそうなが、あたしゃテッキリ蝉みたいに脱皮するだけだとばかり思ってたからビックリしました。あたし以外の人には常識なのかも知れないけど、ともかく自然の偉大さ、不可思議さを感じた次第。
それにしても「モスラの繭」さ。成虫になってたからよかったけど、液化の途中で原子熱線砲を当てられてたら芝一帯、エライことになってたなあー。
いや、よかった、よかった。

投稿者 guffaw : 2007年10月11日 04:26

 蝶や蛾に限らず、クワガタやカブト、蜂や蝿なんかも、同じく完全変態ですよ。
 いわゆる芋虫から蝶への変身もすごいけれど、クワガタの変わりようも強烈ですよね。小さい頃、ものすごく不思議に感じた。まさに驚異。

 考えてみりゃ、人間だって精子と卵子から始まって、こんな戯言を撒き散らすような存在に辿り着くわけで、これはこれで十分に自然の神秘ですけれどね。

投稿者 zenta : 2007年10月11日 09:36

甲虫類も?
と思い検索して納得。
ヘラクレスオオカブトなんか凄いね。
あれ福島の山ん中で捕まえたよ。あんなの日本に居ていいのかなあ。

投稿者 guffaw : 2007年10月13日 04:35

 ヘラクレスオオカブトが福島の山ん中にいてはいかんですよねえ。生態系が壊れること必定です。
 この場合、捨てたのではなく、逃げられたってことなんだろうけれど、どっちにしても困ったもんです。

 小笠原のグリーン・アノールなんかもとんでもないらしいですよ。

投稿者 zenta : 2007年10月23日 18:41

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