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2008年04月05日

 ひかりのどけき春の日にわが家の庭にも花がひらひらと散りゆきて、少しゆったりした気持ちになるものです。小学校の卒業記念にもらった苗木のソメイヨシノが大きな樹になりました。そう言えば、去年の夏、毎日夕方になると近所の川沿いの公園へ散歩に出かけて行ったものです。地域の再発見なぞと言いながら、特に目的なくその日によって東へ西へ気の向くままに近所をぶらつくのですから、まあ怪しいと言えなくもありません。途中で出会うのは、ランニング姿のリタイアしたような高齢の方ばかりでしたから。
 川沿いの公園には「田んぼ球場」という名の簡単なフェンスで囲われた空き地があって、小学生の頃日曜日になると、クラス対抗の野球の試合をしました。走り回り少し離れた池でつりをしたり、中学生になってもサッカーをしたりランニングをしたりと公園にはお世話になりました。その頃の公園の印象は、なんとなく空虚で寒々としていて、なにか茫漠としたものに身体が晒されてるようでした。あまり居心地がよくなかったのです。
 年月を経て、久しぶりにゆっくり歩いてみると、公園の空間は豊かな生命感に満ち溢れているように感じました。木々が相当高く、幹も太くなって樹冠も大きく広がりました。当時はスカスカに感じられた頭の上の空間はずっと密度が濃くなって、人びとを包み込みます。低木もこんもりして、今ボールを探すとしたら随分と大変なことになるような。木々の枝がゆったりと風になびき、多くの虫や生き物が生息していることを直感的にも知ることができます。人びとも自然に集まる空間になっていました。当時整備されたばかりだった公園が、30年以上の年月を経て違う場所になりました。そんなことに気がついたものですから、それだけでとても豊かな気持ちになりました。そして同じ頃に整備された団地では、今年も花見ができましたね。

投稿者 geta : 2008年04月05日 13:29

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