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2005年03月16日

梅に鶯……以外


 我が長屋の脇の紅梅がちらほら咲きはじめている。梅には梅の味わいがある。当たり前だ。奥床しくて、寧ろ、桜よりいい。そんなことを思いながら、ぼんやりと梅の木を見上げている姿は、傍からは、花愛でる風流な人物に映る可能性だってなくはない。けれども、内実、これを肴に一杯二杯やりたいよな、と目論んでいるわけで、迚もじゃないが洒落た類いのものではない。
 花の蜜に誘われるのか、ほんの二十分ほどの間に、鶫、鵯、椋鳥、雀、四十雀、目白と、小鳥たちが次々に姿を見せた。その、それぞれに小洒落た姿と薄紅色の花の取り合わせを目の当たりにし、ますます呑みたさが募る。こう、きゅーっといって、うーん、ばかうまっ、なんてね。今時、そんなこと言うやつぁいませんか。ああ、そうですか。それにしても、旦那、平日の真っ昼間っから酒ですか。ううむ、別に誰に気兼ねする筋合いでもないけれど、昼日中から一升瓶を抱えるとなると、多少なりとも気が引けるのは、常識が残存していると喜ぶべきか、それとも、常識に縛られていると恥じるべきなのか。ちくしょう、誰か遊びに来やがらねえかなあ……なんて思っていると、誰もやってこないものなのである。本日は晴天なり、本日は晴天なり。

投稿者 zenta : 2005年03月16日 23:25

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