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2005年05月07日

マイヘルメットを手に入れた

前回ここで不満を吐いてしまったものの、正直、工事現場にかなり入れ込んでいる。しかも正確には、現場事務所にいるのではなく、本当に現場にいることが多い。

こんなに入れ込んでいるのは、施主にいろいろとお世話になっていて良いものを作りたいという理由ももちろんある。
が、そもそも、駅から事務所に向かう間にあるようなこんなに近い現場で、さらに工事をしているのが真っ当な工務店であって、なんて、こんな体験はなかなかできることではない。普段、本と想像のなかで図面を描いたりしているが、それをそばで確認できるのだ。これは、納まりという納まりをすべてどうやって施工したか、この目で確認したくならないわけがない。

といっても、張り付いていればいいというものではない。女だからなのか設計事務所だからなのか知らないが、職人さんたちはわたしと話そうともしない。・・・というか、相手にしてもらえないのだ。
だけど、わたしはしつこいから。図太くて我が侭な性格はこんなことに役が立つのか!と、煙たがられようが寒い目でみられようが、引かないわけで。マイメットやらマイ差し金(垂直の金尺)やらマイ手袋やらいろいろ揃えて、墨出しを手伝ったり、コンクリート打設時は飛び散るセメントを浴びながら一緒に型枠を叩いたり、建方が終れば掃除をしたり。とにかく何かあることに、職人にアピール!する。

本来であれば、設計事務所は工事に手を出してはいけない。それでも、やっても許される数少ないところ(おそらく造ることに直接関わらないところ)を、「しょうがないなぁ」とやらせてくれたときには、顔を合わせれば口論の絶えない現場監督だって、ありがたく思えてしまう。

最近、ようやく型枠大工さんと話せるようになった。
鳶の人たちも前より若干やわらかい物腰で返答してくれるようになってきた。

しかし、まだまだである。「先生」ではなく名前で呼ばれるようになって(イヤミなのか何なのかこんな小娘に先生と呼ぶのだ)、最後にはこちらの希望を「しょうがないなぁ」と気分を害さず造ってもらえるようにしたい。そしてわたしは、その業を確認したい。

・・・まー、設計業務がこなせてからのことなんだろうから、ほどほどにしなければならないのは解っているんだけど。

投稿者 to : 2005年05月07日 16:45

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コメント

 建築業界の常識としてどうなのかってことはわからんけれども、本当の「先生」様になってしまったら、できない経験だろうから、結構なことでござんしょう。
 孰れにせよ、君がこの事務所にいるのには、大きな意味があったんだってことは言えますな。良かったね。

投稿者 Zenta : 2005年05月08日 23:15

そうですね!廻りに生かされてることを少しは認識したいと思います。
そう考えると、未熟な故にかなりのいい体験ができてるのかもしれないです。

わたしの傲慢っぷりも、少しは気を付けられるよう心がけなければ・・・。

投稿者 to : 2005年05月09日 01:24

あ、それから現場の人に合わせて、普段は絶対飲まないコーラを飲んでみたり、着メロ入れてみたりしてます。

ちなみに着メロは、小沢健二の「今夜はブギーバック」、ビートルズの「Long And Winding Road」ときて、今は「愛の賛歌」です。
次はストーンズの「I Can't Get No Satisfaction」にしようか、とか思っていまして。
本当に合わせるなら、もっとわかりやすさを狙わなければいけないのかもしれませんが・・・。

投稿者 to : 2005年05月09日 01:59

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