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2005年07月21日

幼い記憶といまの記憶

先日、私が6歳まで住んでいた倉庫兼住宅の建物を改装するとかで、久々に帰省した。
6歳までの記憶などもう破片でしか残っていないのだけど、その建物に入るやいなや記憶や感情が蘇ってくることに驚く。そして、以前ではわからなかったことが見えてきて妙に感動してしまった。
まず、柱や梁はすべてH構ではなくフラットバーとアングルをボルト締めして構成されてることや、スチールサッシのかわいらしさ。それから建物の構成も、天井高を押さえた1階と所々に中2階と2階、吹き抜け、天井高が6Mくらいある3階、いろんなところに階段があり、なかなか楽しい。そして、屋上には祖父が鉄工所に造らせた遊具。長い年月を経てすっかり錆びてしまったが、そこに祖父の愛情を感じるのだ。
建築として良いのかと問われれば、普通の建物である。しかし、目を閉じて浮かぶのは、幼ながらにその建物を好きだったという記憶。倉庫用エレベーターで遊んだり、かくれんぼをしたり、屋上で駆け巡ったり、玩具のスポーツカーを一生懸命こいだり。それを笑って見守る祖父がいる。

建物は、一般的に物を造るのとちょっと違う。建物は、人の前に建つのではなくて、人を覆って建ってしまう。
ましてや誰かの家を造るというのは、その人にとっての未来と記憶とその流れの中で生まれる感情をつくることだから、だから家ってすごいんですよ。
そんな話を昨日した。

投稿者 to : 2005年07月21日 10:02

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