« アジ | メイン | 扇風機を買え »

2005年08月15日

夢の中へ


先週の金曜日の夜にお腹が痛いとおもい、土曜日そのままブライトンへ出かけて一日歩き回った。夜にロンドンに帰ってきたとは言うものの、何だかどうしようもないので、そのまま近所の大きな病院の緊急センターに行った。結果、虫垂炎。そのまま入院して、次の日に手術。もちろん、月曜日のフライトには間に合うはずも無く、日本に帰る予定だったのはチャラになってしまった。。。
誕生日の日におめでたく初手術。もちろんお腹が痛いのは大変だったが、海外での入院自体も初体験だし、夜の救急センターもTVで見ているようで面白かった。にしても一番驚いたのは麻酔。本当にサージェリー・ドクターから受けた説明の通りだった。ベッドに乗せられ部屋に移動し、睡眠導入の注射を打って、酸素をすって、などとして行き最終的に医者が僕ののど元をちょっと押さえる。(何でもそれはガスか何かが逆流するのを防ぐ為らしい)

で、次の瞬間気が付いたら手術は終わっている。

本当にそのまま。


指をパチンと一つ鳴らした瞬間に全部終わった様な感覚。とはいえ僕には、余りにも一瞬に感じられたし、目を覚ました瞬間に前よりも何倍もの痛みをお腹に感じたので、僕は思わず術中に麻酔が切れたのかと思い、苦しみながらも言った言葉は "Has it done?" 。ちょっと看護婦に笑われてしまった。 多分そこは術後の患者が目を覚ますまで待つ部屋だったのだろう、となりにも苦しんで起きた人がいた。すかさず10段階でどのぐらい痛いか聞かれ、それに応じてモルヒネ注射。痛みが嘘のように退いていった。

それにしても、あのパチンと指を慣らした一瞬に何が起こったんだろうか? 例えば、僕がその間に一度死んでいたとしても知るよしがない。普通に寝ていたとしても、その間の時間の流れぐらいは感じる事が出来る。例え短い時間ながらも、そこまでに完ぺきな空白が出来た事が不思議だった。宇宙人にさらわれたらこんな感じなのかもしれない。とにかく僕はその空白を、鋭い痛みとお腹の縫い目、そして少しずつ良くなってゆく体調を通してだけ知る事が出来るのである。

投稿者 kajiya : 2005年08月15日 07:21

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://gokarasu.sakura.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/227

コメント

コメントしてください




保存しますか?