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2005年09月27日

静岡県富士市本市場新田

 先週、稲刈りのため帰省したが、天候不順で延期になってしまった。それで懐かしい近所をたっぷり歩いて回ってみた。ゆっくり自分の足で歩いてみて、その変貌ぶりに改めて愕然とした。ただ田んぼしかなかったところに広々した道があちこちに走り、沿道には公園やら病院やらホールやら、そしてもちろん色んなお店がずらっと並んでいる。かつて通ったザリガニ・スポットも今は暗渠。東京じゃあるまいし、なぜ蓋をする。
 昔ここいらは広く「市街化調整区域」に指定されていて、それはつまり「税金格安にしてあげるから農業やってなさい」ということで了解されていた。法律的「農地」。百姓自身がそこに家を建てようとしても、制限される。
 しかしバブルなどあったわけで、開発しにゃあわけにゃあいかにゃあら。行政が先頭に立ってやってるんだから、「市街化調整区域」だって市街化しちゃう。計画は当然無計画だから始末が悪い。当時は「あすこじゃ億の金もらったってよ」てな話があちこちにあって、公的地上げが横行した。そんで未だ計画進行中。心底、市役所民営化してもらいたい。
 開発の洪水は我が田んぼの2メートル手前で取りあえず止っている。その場所に立派に立つのは「富士市立看護専門学校」。教育の質が低いのか、需要を見誤ったのか、今、閑古鳥が鳴いている。もっとたくさんの白衣のお姉ちゃんに、親父の工場時代の古着作業服を、長い東京暮らしで培ったコーディネート術で着こなす私を見てもらいたいのに。
 大金は掴み損ねたが、会社人間だった親父の老後には、カネより田んぼだったわけで、悪魔の侵食に遭わなくて本当に良かったというのが家族の総意。百姓で幸せである。
 しかしこの土地、役所の野望が潰えたとも思えないし、近い将来「調整区域」から外れることを見込んで大いに興味を示す親戚の皆さんなどいることだし、どうなることやら。つづく。

投稿者 shachi : 2005年09月27日 04:43

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