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2005年09月28日

落語天国

 東京には未だに落語の定席がいくつもあって、毎日毎日、昼から夜までやっている。ふらりと足を運びさえすれば、いつでも見られる訳だ。それ以外にも、あちらこちらで大掛かりなものから本当にささやかなものまで、様々な落語会や寄席というものが連日催されている訳で、東京てえところは何ともすんばらしい落語天国なのではあるまいか。羨ましいねえ、落語天国だなんてさ。東京人というものは、年がら年百、落語を見ているんだろうね。……そんな風に、地方の人や外国の人に思われたっておかしくない。私だって、こういう状況を異国の地から眺めていたら、そう想像するに違いない。けれども、実態は相当に懸け離れているのである。
 からす新聞読者諸氏の中に、寄席に足を運んだことがある人がどれほどいるだろうか。一々アンケートを取って回るほど暇ではないが、恐らく、非常に非常に少ないのではないか、と思う。東京に生まれ育ったって、生の落語なんざ見たことないまま死んでいく人がたくさんいるのではないか。
 さて、落語天国の現実はどんなものかというと……テレビや映画で落語ネタのものがいくつかあったせいで、少しは若い人も寄席を覗くようになったそうであるけれど、多くの場合、ぎゅうぎゅう詰めになったりすることはなく、なったところで、お互いに何となく見たことがあるような気がしてくるような客層。そうそう、固定メンバーが順番に顔を出しているだけってなところ。しかも、平均年齢はかなり高い。人間というものは、上から順に、あちらの世界に旅立っていく訳であり、若い観客の補充が非常に少ない今、このままでは落語はどんどんどんどん衰退してしまうこと、必定。そうなったら、先々は、現世での落語天国などなくなって、死んだ者が集って天国落語というようなことになったっておかしくはない。

 そんな折、からす新聞のお膝元で、バンドと落語が絡まり合ったイヴェントがあるというではないか。何という素晴らしい企画。バンドのファンが落語を生で見、落語のファンが生でバンドを見る、稀なる機会。相当に隔たりのありそうなそれぞれのお客さんたちが、生の演し物に触れて何かを感じない訳がない。企画してくれた人、ありがとう。あなた様のお陰で、素敵な出会いがありました……早くもそんな感謝の声が聞こえてきそうである。

 詳細はこちらをどうぞ。明後日に迫っていますよ。お急ぎ下さいまし。

投稿者 zenta : 2005年09月28日 19:15

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