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2006年01月11日

ぞろ目

 本日は1月11日。お、ピン・ゾロだね、ってなことをついつい思ってしまう私というものは如何にも軽薄、如何にも愚か、さすがは無職、さすがは自称藝術家、世間様に如何なる貢献もしていないだけのことはある。寧ろ、褒めてやりたくなるほどに役立たずぅな人間であるなあ、と思う。

 ついこないだまでは、正月と言えば、後輩、同輩、兎に角ばかが雁首を揃え、ちんちろりんをしたものである(勿論、そんなのは私の周囲だけの話であって、世間様ではそんなことないんだろうけどさ)。
 知らない方もいるやもしれぬので、簡単に説明をば。
 ちんちろりんってのは、賽子三つを丼なり茶碗なりに放り込んで、出た目の数に応じて役が定まり、やったぜ、だの、やってらんねぇ、だのと一喜一憂する、そんな遊びである。で、その中でも一番強いのが、一の目が三つ揃う状態。これを称して、ピン・ゾロという。我が界隈のルールでは十倍の役となっており、仮に千円賭しておれば一万円を頂戴できるという仕組み。親でピン・ゾロを出せたりしたら、もう、あなた、ああ、嬉しいじゃありませんか……って、いけませんよ。日本では賭博行為というものは禁止されておりますから、飽くまでも、これは、「仮に」という前提であることをお忘れなく。
 兎にも角にも、一番強い目を好むのは博奕打ちの性。しかも、ピン・ゾロってのは、赤が三つ並んで見た目のインパクトも抜群である。賽子にふっと息を吹きかけ、放り込む。ころころころころと回っている間、心の中で、ピン・ゾロ、ピン・ゾロ、と祈りをかけて……って、一体、私は何を書いているのだろうか。私が書こうと思ったのは、辞書を引いておっ魂消た、という話である。

 諸君、手近な辞書に当たってみてくれ給え。「ぞろ目」の項には何と書かれておりますか。賽子二つ、二桁の数字、一着と二着……斯様なことが書かれてはおりますまいか。ああ、もし、辞書の類が正しいのであれば、私は今までのちんちろりん人生において、全面的に間違っていたことになるのであります。しかも、今後、賽子を振った後、心の中でどう祈れば良いのか。ピン・ゾロが誤用であるのなら、私は一体どの様に祈れば良いのだろうか。
 ピン・ゾロ、ピン・ゾロ、と祈っても、一が三つ、一が三つと祈っても、非科学さ加減に差はないし、そもそも祈って目が出るのなら世話はない。けれども、何事においても最後の最後に大事なのは、それはやはり気合いなのであり、「一が三つ」じゃ力が出ない。そんな気が致します。やっぱり、掛け声は「ピン・ゾロ」じゃないと。

投稿者 zenta : 2006年01月11日 11:11

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