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2006年07月18日

決議の文体

 この際、安保理決議というものをちょっとだけ垣間見てみよう。まず冒頭に、主語がある。

 The Security Council,
 「安全保障理事会は」

この後しばらくは前文。すべて-ingで始まる分詞構文というやつで、こんなんしつつ、あんなんしつつ、そんなんもしつつ、としばらく続く。

 Reaffirming 〜,「再確認しつつ」
 Bearing in mind 〜,「留意しつつ」
 Reaffirming 〜「再確認しつつ」
 Expressing grave concern 〜,「重大な懸念を表明しつつ」
 Registering profound concern 〜,「深刻な懸念を銘記しつつ」
 Expressing further concern 〜,「更なる懸念を表明しつつ」
 Expressing its grave concern 〜,「重大な懸念を表明しつつ」
 Expressing also its desire 〜,「希望を表明しつつ」
 Recalling 〜,「思い起しつつ」
 Deploring 〜,「遺憾に思いつつ」
 Stressing 〜,「強調しつつ」
 Affirming 〜,「確認しつつ」

そして最後に

 Acting under its special responsibility for the maintenance of international peace and security,
 「国際平和と安全の維持のための特別な責任のもとに行動しつつ」

と来て前文の終り。これをもって日米は「平和と安全に関する安保理の決定は加盟国を拘束するから、北朝鮮を含めた各国はこれを履行する義務がある」とした。しかしスペシャルとか、曖昧便利な言葉だな。
 さて、いよいよ本文の始まり。ちなみに demand は require に比べより強く“法的な”と解釈可能な「要求」。

 1. Condemns 〜;「非難し」
 2. Demands that the DPRK 〜;「北朝鮮に要求し」
 3. Requires all Member States 〜;「すべての加盟国に要求し」
 4. Requires all Member States 〜;「すべての加盟国に要求し」
 5. Underlines, in particular to the DPRK 〜;「特に北朝鮮に対して強調し」
 6. Strongly urges the DPRK 〜;「強く北朝鮮に促し」
 7. Supports the six-party talks 〜;「6者協議を支持し」
 8. Decides to remain seized of the matter.「この問題に張り付き続けていくことを決定する。」

最後にピリオド。つまりこれは長い長い一文なのであった。

投稿者 shachi : 2006年07月18日 04:52

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コメント

やっとWCの熱狂と疲労困憊から醒めての新学期、その間にも世界は動いており、1時間目は英語でしたか。
なんか見たこともない単語ばっかですなぁ。

それにしても70年以上前の松岡洋右の議場からの退場劇とシンクロして、あの時わがニッポンは世界からこんなふうに見られていたのかと思うとやりきれない。
あの時の国際連盟の決議文と案外同じ文章だったりしてね。


投稿者 guffaw : 2006年07月19日 07:09


http://daccess-ods.un.org/TMP/4495847.html

このPDFファイルか。探した探した。
勉強になりますた。
UNのサイトを初めて見た私がいてごめんなさい。

投稿者 りんご : 2006年07月20日 02:18

あの時の決議文、興味ありますね。調べてみたいす。

そんでもってUN関係、だいじょうぶ、あたしもほぼ初めてみたいなもんすから。

http://www.un.org/News/Press/docs/2006/sc8778.doc.htm

あたしはここで探りやした。

投稿者 shachi : 2006年07月20日 03:30

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