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2006年09月12日

帰国女子

 私立の遅いところでもようやく新学期が始まり、生徒たちの夏休みももうおしまい。小学生に「どこか行った?」と尋ねてみると、私の田舎近くの「ふじさんのちかくのキャンプ!じってんしゃぁでヘ〜ビふんづけちまった!」一年生もいれば、「パリと、あとフランスの南の方でお父さんの知り合いのイギリス人の人の別荘に泊めてもらった」六年生もいる。「泳いだ?地中海で」「プール付きだった」
 海外に行った子は、三、四年生ぐらいまでは聞かれてもないのに授業中言っちゃったりするが、年相応にそういう発言はやっぱり控えるようになるようで。そんなわけで上の情報は、これもアメリカ旅行帰りの友だちと二人の時に聞き出したもの。ニューヨークに行ったというもう一人の子に訊いた。
「英語しゃべった?」
「ぜんぜん」
「空港とかでさ、Hello ぐらい言ったでしょ」
「親と一緒だったから……」
 まあ、そんなものである。日本人は控えめである。

 ならば高校生。イギリスにホームステイに行くという女の子には、事前に『マイ・フェア・レディ』から
 The rain in Spain stays mainly in the plain!
 「スペインの雨はおもに平野に降る!」
を引いてコックニー訛りを伝授した。いいですか、練習しますよ。せーのっ

 ライン・イン・スパイン・スタイズ・マインリィ・イン・ザ・プライン!

 ま、そんなことはすっかり忘れて楽しんできたようである。ただしホストファミリーは「旦那さんは仕事忙しくて、奥さんはテレビ中毒」でハズレだったみたい。「あんまり話さなかった」。そもそもシャイを自認する子ではあるけれど、彼女の控えめなのは、小四までアメリカで過ごし、帰国後入った学校、友だちは良いんだけど、そこの学校とか勉強とかが水に合わないからだと、本人は言っている。私は記憶媒体にはなれない、というようなことを彼女は言う。たしかになあ、彼女の場合、友だちが出来ただけまだ良いほうかもしれない。
 でもさ、これさ、なんか良くない?私はこれが大好きでね。これはさあ、ガチガチに決められたニッポン英語教育からの解放ですよ、ライン・イン・スパイン・スタイズ・マインリィ・イン・ザ・プライン! どうですか、いま一度、あれ? ちょっと、あれですか? 気乗りしませんか? そうですか。

投稿者 shachi : 2006年09月12日 02:06

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