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2006年09月27日

ヤブカラシの森に住む

 これってクロアゲハの幼虫ですか、と近所に住む小学生のお母さんが問うてきた。どれですか、と覗いてみると、黒地に目玉模様が二列に並んでいる、如何にもグロテスクなやつ。しかも、尻尾が生えていて、その先っぽが黄色っぽくて、レーダーみたい。アゲハの幼虫と似ていながら、黒いので、クロアゲハってな連想なのでありましょう。
 これって、何の幼虫だったかなあ、と記憶の中を捜索するも、思い出せない。小学生の頃なら即答したんだろうけれどなあ、と、ちょっと歯痒い。ううむ。何かは思い出せないけれども、クロアゲハでないことだけは判っている……というか、この界隈で見かけるメジャーなアゲハ類のそれでないことだけは絶対確実、生涯保証、指切り拳万。
 「スズメガか何かでしょうね、アゲハではないですよ」
 「この空地にたくさんいるよって、こどもたちがどんどんとってきちゃっているんですけど、蛾なんですか。蛾じゃねえ……」
 蝶は良いけど蛾は駄目なのか。それは差別だよ、君、と瞬間は思ったけれど、何を隠そう、私だって、蛾より蝶が好きである。正直に言えば、蛾はあまり好きではない。なぜでしょうなあ。経験という看板で物言えば、私に限らず、蛾は嫌い、という人が多いように思う。蝶と蛾との区別って相当に難しいし、曖昧なところもあるのにね。フランス語のpapillonに代表されるように、言語によってはその区別がないものさえある。ぱっと見じゃ、どっちだかわからんものだってたくさんいるしねえ。

 その後、件の芋虫が何ものなのかを図鑑やネットであれこれ調べたところ、セスジスズメという蛾の幼虫だと判明した。直感は正しかったわけである。針千本飲まずに済んだ。
 ちなみに、セスジスズメの幼虫の食草にはヤブカラシが含まれていた。なるほど、向かいの空地に数多居るのも宜なるかな、と。

投稿者 zenta : 2006年09月27日 10:39

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