2007年06月26日
23
『残しておきたい日本のこころ』という民話のことがいろいろ書いてある本をつくるのに少し関わって、開高健が奄美大島かどこかで聞いた話として紹介した「23字きりの民話」というのを知った。
「家へ帰って戸をあけたらこれくらいの虫がいました」
これが民話だと、その現地のおじいさんは言うのである。潔いし、なんか可笑しみもある。23字は奥深いかもしれないぞ。第一素数だ。
というようなことを小学生相手に話してみても、小2のケンジお気に入りの単語「ステグビートゥ!(くわがた!)」の連発を誘発するぐらいのものであって、あとの女子たちは、わけわかんない、といった空気。
小学生諸君、夏になるとにょきにょき伸び放題の植物知ってるかい?
「ベランダに出たらヤブカラシがまた伸びていました」
ケンジは今日もまた、フトンが吹っ飛んだ、ばかり言っていた。
「駄洒落はpunゆえパンでお腹パンパンはパンです」
お酒のどこが美味しいかわかんないって、当たり前、お前たちにはまだ早いのさ。
「Alcohol is fuckin like love」
縛りが音節でなくただ字数23のみなので、まあ、なんでもありになってしまうわけだが、そのぶんこれは新しい詩の形式として世界に普及するのではあるまいか。
素数列17、19、23、29、31。俳句17と短歌31の中央に23。きょう2007年6月26日。2+0+0+7+6+2+6=23。23には、なんかある。
投稿者 shachi : 2007年06月26日 21:39
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コメント
23文字きりの民話っていいですね。何だか凄く惹かれます。
しかも素数なのか。いやぁ、素敵だ。
しかし自分が小学生の時に、この話を聞いたらどう思うのか。うーん、どんな反応したんだろうなぁ。。
投稿者 kajiya : 2007年06月29日 00:19
「お話」だと前置きすると、その前とかその後とかあるんでしょ? ってことになるみたい。でもまあこんだけ短いと、意味内容よりリズム感とかつまり口に出してなんだか楽しい、っていうんでないと駄目みたいですな。小さければ小さいほど。
投稿者 shachi : 2007年06月29日 23:55
縛りが字数ってのが、もひとつ納得できんなあ。
同じセンテンスでも漢字をいくつ使うかで変ってくる訳でしょ?早い話が23字が短いとは言っても、漢詩にすれば五言絶句作っても3字余る訳で、むしろ長い。
だいいち民話と詩ではモノが最初から違うんだからどっちかに決めなきゃさ。
いっそ全部カナにして「素数詩」なんてのはどうかね。音数が素数でさえあればなんでもアリなんてね。
それはともかくケンジはカワイイ。
投稿者 guffaw : 2007年06月30日 03:26
民話であってもなくても、詩であってもなくても、ある文字体系では長いかもしれず、ある文字体系では短いかもしれなくても、それでも世界全言語23、そこに可能性を見るのです、先生。
投稿者 shachi : 2007年07月01日 01:18
たとえば「アラビア語」の場合、単語一語はアルファベットをつなげて表記しますが、それを一文字と取るか、分けて数えるか。また補助的文字である「ハムザ」と「ターゥ・マルブータ」を一文字と見做すかどうかは現在でも学説の分かれている所であり、私としては非常に懸念されますが、Shachi君が「可能性」を言うならもう何をか言わんや。いつの日か必ず「新文学」として確立してくれんことを。
それにつけてもケンジがカワイイ。
投稿者 guffaw : 2007年07月01日 17:05
>>「アラビア語」
どの学説でもオーケーですよ。いろいろあるのが面白そうですな。
投稿者 shachi : 2007年07月01日 18:31