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2007年08月21日

青木ケ原の北、上九一色の東

 そんなわけでS湖まで散骨の旅。私は実家より車で最寄りの駅に向かい、列車でやって来るアライを待つ。運転はアライに任せ、ビートルズの ABBEY ROAD をかける。本人が通夜でB面をと指定の一枚。20分ほどで目指す湖に到着、そのまま湖水を左に北岸を場所を探して走る。すぐに西の端まで来てしまい、まあこのへんにしますかと車を止めた。キャンプ客やら釣客やらいるが、しかたない。適当な岩場まで歩き、そこをその地と見定めて、散骨開始。 沈んだ! 浮くものとばかり思っていたのに。するとなにやら小魚の群衆が寄ってくる。釣師アライ曰く「こりゃあれだね、何でも食べるブラックバスの子供だね」。もしかして、食っちまうのかい? そりゃまた儚いね。
 幸か不幸かバスの餌食ではなかったらしく、湖底に点々と白く映えるお骨に最後の黙祷をしてその場を離れた。車が走り出すと、程なくしてうまいことB面が始まる。申し合わせるでもなく湖を一周。アルバムが終らない。
 Sleep pretty darling, do not cry
子守唄の歌。プリティ・ダーリン。なんとなく棺桶に入った死人の顔はみんなプリティ・ダーリンな気がする不思議。車を止め、終りまで聴く。
 Boy, you're going to carry that weight
おいお前その荷物背負って行け、ってちょっと、いま下ろしたばっかりじゃん。勘弁してよー。
 And in the end, the love you take
 Is equal to the love you make
けっきょくあなたが持っていく愛はイコールあなたが作った愛、ってなんかもっともらしいけど、そうわかりやすいもんかね、けっこううさん臭いぞ、てな気がしているうちにアルバムは終了。器の主は、らっきょう、お骨、そして今は洗った後の湖水が少々。


 これを機に調べてみたら、違法とばかり思っていた散骨は、実際はそうではなかった。確かにずっとそう考えられていたようなのだが、それは以下の二つの法律から。

 墓地、埋葬等に関する法律 第4条
 「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない」
 刑法 第190条
 「死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄 し、又は領得した者は、
  三年以下の懲役に処する」

 それが1991年にそれぞれの法を管轄する厚生省、法務省が、「節度をもって行なう限り」等のコメントを付けて違法ではないという見解を発表。以来業者も数々現われ、中には地元と揉めて自治体によっては禁止の条例があるところもあるんだそうで。今回私たちの行った町にはそういう条例はなく、アライなど思いきりぶん投げた。

投稿者 shachi : 2007年08月21日 23:54

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コメント

S湖でぶん投げたものです。
キラキラしてきれいだった。
25.26日は高円寺阿波踊り。
どうやらNさん来ていたらしい。

投稿者 rai : 2007年08月31日 20:15

 近年、阿波踊り期間は高円寺に近寄らないことにしている私ですが、今年はどういうわけか、深夜に吸い込まれてしまった。もしかしたら、目に見えぬNちゃんに誘われていたのかもしらん。

投稿者 zenta : 2007年08月31日 23:41

私も今年、初めて見ました。

投稿者 shachi : 2007年09月01日 00:23

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