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2007年09月19日

全国デビュー


 『猫めくり』という、ほぼ日めくりになっている小型のカレンダーがある。タイトルのとおり、次から次へと猫の写真、猫の写真。土日は兼用なので、週六枚、年にしてざっと三百枚強というところ。ここ数年、我が家ではトイレにて愛用中。可愛い猫のみならず、これって、どうですか、ちょっと微妙じゃないの、というようなものもたくさんあるのだけれど、そんなものさえも何となく楽しめてしまうところが、呆けた猫飼いの悲しさか嬉しさか。兎に角、ここ数年のお楽しみとなっている。

 その『猫めくり』、ふと気づくと、写真を公募しているではないですか。いやあ、気づかなかったなあ。早速、要項を読んでみた。なるほど、一人五枚まで応募できるわけだね。幸いなことに我が家には猫が二匹とカメラマンが二人いる。そこで、心の中で天才カメラマンと自称する私はでぶ猫様と、普通のカメラマン殿はちび猫と、という具合にチーム分けして、それぞれ応募することと相成った。
 わくわくしたり、じたばたしたりしながら、どうにかこうにか、お気に入りの五枚に絞り込み、申し込んだのでしたよ。それが春三月のこと。参ったな、来年はでぶ猫様が表紙になっちまうぜ、へへへ、などと北叟笑んでいた私。

 先日のこと、我が家のサンデー・カメラマンくんが帰宅早々何やら騒いでおる。何と、ちび猫写真の一枚が掲載されるという連絡が来たそうな。これで、ちび公も全国デビューじゃないですか。
 ところで、私の方に連絡が来ないのはなぜだろう、と疑問が湧くのは当然のこと。少しく慌てて要項のページにアクセスしてみると「採用不採用にかかわらず、結果通知をお送りいたします」という文言が載っていた。私への連絡が遅い理由、それは、ずばり、表紙にするかどうかで揉めているからに違いない。大賞になるのか、表紙賞になるのか、あるいは、運悪く金賞止まりか、そういう鬩ぎ合いの渦中にあるのだろうな。そんなことを思ううちに数日がたった。ふむ。また更に数日がたったが、なかなか連絡は来ない。混戦模様なんだね。競争相手はどんな写真なんだろう。そんなことを思う。
 さらに、数日たったところで、漸く連絡が来た。結果は、まあ、ご想像の通りですよ。ふふ、世の中、そんなものさね。

 私は傷む心を抱えて、今から旅に出ることに致します。みなさん、ごきげんよう。さようなら。あばよ。

投稿者 zenta : 2007年09月19日 02:25

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コメント

たっ、たまらん♡

投稿者 flint : 2007年09月19日 14:35

これは笑いましよ。

ところで、この写真はデブさんのほうですよね?

投稿者 RINGO : 2007年09月20日 00:25

>ところで、この写真はデブさんのほうですよね?

 そりゃそうですよ。私はでぶ猫様担当だから。

 ちなみに、左側が広くあけてあるのは、表紙になった際に『猫めくり』というタイトルを入れやすくするための配慮です。そこまで気を遣ったというのに……。

投稿者 zenta : 2007年09月20日 00:43

おお〜!
グレッグ・トーランド張りの見事なパン・フォーカスではないですか。
あたしとしてはサムネイルの白黒の方が好みですな。 
ま、いずれにせよ、そんな失礼な会社相手にしないで「からす」で出すなり、NET配信するなりした方が早いんじゃない?
タイトルは『猫んでるた』..?

投稿者 guffaw : 2007年09月20日 02:50

やはりここで敗因を分析しておかなければ、次の甲子園も難しくなるでしょう。

全体として捉えると、紅葉色の秋の静かな朝、その猫はいつものように警戒を怠らず、いま見つけたばかりの獲物に対して野獣のような視線を注いでいるのだった、というイメージです。

しかしながら、細部を観察すると、写真右下に前脚が2つちょこんと写っています。このリラックスした前脚が、静と動の紡ぎだす危ういばかりの緊張の糸を引き裂いてしまったのかもしれません。
猫ばかりではありません。このように前脚が写り込むということは、おそらく猫は何かの上に乗っていて、それはもしかしたら自転車のサドルかもしれないとも思わせ、そうであるならば撮影者はちょっとしゃがんで下からのアングルにしたのだなと邪推させてしまったのかもしれません。
ここは、弾丸飛び交う戦場で匍匐前進する兵士の如く、命がけで猫の下部に近づき、撃たれる前に撮ったぜ、という緊張感が欲しいところでした。

投稿者 RINGO : 2007年09月20日 19:33

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