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2007年10月03日

キアゲハのロング・ウォーク

 我が家のパセリにキアゲハの幼虫軍団が到来したのは七月のこと。こうなっちゃしょうがねえ、ってんで、彼ら(あるいは、彼女ら)の気が済むまで喰ってもらった。その後、無事に蛹になれたのかどうかというのはわからない。パセリの枝で蛹化するようなあほなものはおらんのであるからして。どこかで無事に立派な蝶となっていてくれることを祈るけれども、自然界はそうそう甘くはないわけで、外敵や悪条件によって命数尽き、羽開くことなく終わってしまったものたちも少なくないだろうな、と思われる。ああ。
 連中の食欲はものすごい。結局、丸坊主になるまで喰い尽くされてしまった。しかしながら、パセリの生命力も大したもので、その、殆ど茎しか残っていない状態から見事に復活して、次第に葉を広げていき、先月半ばぐらいからは、それなりの豊かさを見せ始めたのでありますよ。おっ、良い感じに育ってきたじゃん、祝復活、ってな感じ。ところが、そう思ったのは私だけではなかったのであります。界隈を飛翔するキアゲハ嬢も同様に感じたのでしょうな。すかさず、卵が産み付けられたようで、あっという間に、またもや幼虫軍団が犇めく有り様となった。
 しかしながら、今回は全然葉の量が足りない。復活途中のパセリですもの。あっという間に葉は喰い尽くされてしまった。食草を失った彼らはどうするのだろうか。ううむ。天命尽きたりと死を待つばかりなのか、それとも……と案じていた。何日前のことだったかな。思い出せない。ライヴ連発、従って、過度のアルコール連発のため、記憶回路に難あり。もやもや。
 とにもかくにも、その翌朝、茎だけになった残骸のようなパセリの周辺に幼虫たちの姿はなかった。これが世に言う自然の定めというものなのだろうよ、とは思うものの、些か暗い気持ちにならざるを得ず。不似合いな溜め息なんぞ吐いてみたりしながらうろうろしていたところ、おおお、あああ、ううう、えええ、いいい、連中発見。わずか二匹だけだけれども、発見。
 彼ら、明日葉に移動しておりました。直線距離にして1メートルほどのものだと思うけれど、地べたを歩くようにできていそうにない彼らの吸盤様の足を思えば、ものすごい距離に相当するだろう。私の足に換算するならここから中野区新井一丁目ぐらい? それとも、稲城の矢野口ぐらい? それとも、坂戸の高麗川ぐらい? などとなどとなどと、知っている地名を列挙して比較してみても詮無きこと。とまれかくまれ、いやはや、大したもんだ。すごいぜ、キアゲハ・ベイビーズ。

 それにしても、連中が明日葉を喰うなんざ知らなかったよ。念の為に、調べてみたところ、明日葉もパセリと同じセリ科の植物。キアゲハの幼虫が食するのは当たり前のことのようである。
 だとすると、パセリを守りたかったら、彼らをはなから明日葉に移住させてしまえば良かったのだな。あの葉っぱはがんがんがんがん育つから、がっつきの激しい彼らにとっても明日の糧を心配する必要がなくなって、結構なことなのではなかろうか。昨夏、パセリを喰われまくってしまった友だち(シンガー・ソング・ファーマー?)にも教えなくちゃな。

投稿者 zenta : 2007年10月03日 14:05

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