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2007年12月11日

ファーストバイト

 赤ん坊が泣いている。泣き続けて泣き止まない。シーンとして主賓の挨拶が続くところだから目立つ。やっとのこと長話は終り、いよいよウェディングケーキ入刀。騒がしくなるからお母さん、ほっと一息。
 ケーキ入刀にはほとんど「ファーストバイト」が続く。first bite、初噛み、つまりケーキの食べさせ合い。そこに判で押したように繰り返される司会者コメントは、
 「まずは新郎から新婦へ、一生君を食べさせていくよ、という意味を込めて、どうぞ!」
 つづいて、
 「こんどは新婦から新郎へ、一生おいしいご飯をつくっていきます、という意味を込めて、どうぞ!」
 ジェンダー云々的にどうなのかとも思うが、このコメントについてクレームがついたという話を聞いたことがない。「欧米に倣って」このセレモニーが導入されてからまだ十年ほど。あっという間に全国に広がったらしい。
 つまりはたぶん、盛り上がるか否か、ということみたい。夫から妻はつつましやかに一口、一方妻から夫へは口に入り切れない特大の切れ端が運ばれる。これがウケる。この逆が成り立つのは、新婦が芸人さんでもなけりゃと、思ってしまう。でもお客さんたちを見れば、いつもしっかり残さず食べてるのは女性だ。せっかくのご馳走なんだから食えばいいに、飲みに走って食い残す輩はみな男。そういう奴らに食べることの尊さを教えるセレモニーでもあるんですかな、あれは。
 お母さん、けっきょく二時間泣き止まなかった赤ん坊抱えながら、しっかり完食してました。

投稿者 shachi : 2007年12月11日 04:06

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