« ビーフの旅 | メイン | アシタバンの春 »

2008年05月14日

終着駅はグラハム・セントラル・ステーション

 難波田史男の『終着駅は宇宙ステーション』をちらほら読んでいる。まだ三分の一かそこら。なかなか面白いのは確かであります。幼稚なところも、背伸びしているところも、混乱しているところも、それなりに楽しめますな。もっとも、善くも悪くも、お年頃……って言ってしまうと、身も蓋もないんだけどさ。いや、でも、ほんと、おもろいんですよ。

 読んでいるうちに、猛烈にフェイクな日記を書きたくなってきたりして。史男少年の真摯に揺れ動いた心中を読んだところから、いんちき日記を書きてえ、なんて、貴様、ばかにしているのか、とお叱りを受けそうではあるけれど。

 私よりちょっと上の世代の、裕福な家庭に生まれた真面目な青年。幼少時から絵画の才能が高く評価され、将来を大いに期待されるも、哲学にかぶれ、女性に溺れ、誤解から犯罪に巻き込まれ前科を頂戴するなど、挫折を重ねて迷走。それにしたって、ええとこのぼんぼんですからね、さほど暗くもない裏街道を紆余曲折して燻っていたところ、来日していたジョージ・クリントンに拾われ、ボーヤとして渡米。あちらこちらを転がっているうちに、ヒップでファットなビッグ・ママの経営する美容院の使い走りに落ち着く。そこでファンキーなシスタ、エピファニと出会い、二人の男児を授かるも……って、こんな設定でどうですか。いんちき過ぎますか。左様ですな。

 兎にも角にも、まずは表紙に使うやもしれぬ、幼稚園の頃のお絵書き作品から始めようってんで、左手にクレヨン持って落書きしてみたりしたところ、ううむ、あまりにも酷い出来。これでは天才画家の幼少期というには無理があるってんで、利き手に持ち替えて書いてみた。ところが、それでも大した絵にはならんのである。画家という設定は無理だなあ。

投稿者 zenta : 2008年05月14日 01:05

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://gokarasu.sakura.ne.jp/mtj/mt-tb.cgi/194

コメント

 その息子の一人の名はもしかしてケンジでは。私の知るファンキーなケンジ、彼のうちにも史男ん家とおんなじ、というかどこのうちにもありがちな母との葛藤があって、つまり、家族の問題。

 史男の本、おもしろかったら大変とてもうれしいです。一言でいえば「青い」のかな。青いぶん、けっこう笑えちゃったりして、そのへんが私自身のめり込んだところでもあります。

投稿者 shachi : 2008年05月19日 23:58

コメントしてください




保存しますか?