« 夏がよろめくのは六月の花嫁 | メイン | 馴染みの町 »

2005年06月29日

ウイルス

 家人がウイルス性の風邪で九度近い熱を出して倒れている。近所の診療所で診てもらったお蔭で、少しは楽になった様子。結構、結構。けれども、同室で起居を共にする私がウイルスに乗り移られる危険性はそれなりに高いだろう。また九度の熱を出すのか。恐ろしいなあ。嫌だなあ。
 本を正せば、そのウイルスというのは、家人が職場の見目麗しい同僚から頂戴してきたものである。ウイルスも旅が好きなのだな。どこから来て、どこへ行くのだろう。いやいや、そういう問題ではない。
 わしらが生きてゆくためには転々と寄生するしかない訳で、恨むなら、このような生き物として俺を作った神を恨めよ、と言うのが当人の弁となろうか。そうか、君だって生きているんだものな、と思うけれども、苦しい目に遭うのは嫌だ。嫌なものは嫌なので、こちらも何とか移されないように頑張るしかないのである。

 医学が進むと、このウイルスが絶滅して地球上から消えてしまう日がやがて来るのだろう。そう思うと、まあ、ウイルス君が存命なうちに、風邪で寝込むぐらいしてやってもいいかな、という気になったりして……いやいや、いかんいかん。

投稿者 zenta : 2005年06月29日 00:05

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://gokarasu.sakura.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/173

コメント

コメントしてください




保存しますか?