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2005年12月14日

用の美


 11月のライブラリーに書いたダイアリー話だけれど、あとの二冊は、MoleskineのものとPomegranateってところから出ているEdward Hopperもの。

 私は萬年筆おたくである。当然、帖面の類にはその趣味を満たしてくれるものを欲す。ところが、機能の殆どとすっきりしたデザインが優秀なMoleskineは残念なことに紙が薄過ぎ、裏写りしないペンとインクの組み合わせを発見できていない。Edward Hopperの方は、逆に、紙が厚過ぎ。全頁がびしびしにコーティングされていて、萬年筆どころか、鉛筆だって撥ね除けてしまいそうだ。これに問題なく書き込める道具となると、ボールペンかポスカの類だろうかね。孰れにしても、これを作った人々ってのは、恐らく、自分で書いたりすることのない人々なのでしょうな。
 そこへ行くと、teNeuesのピカソのダイアリーは秀逸である。絵を載せる頁のみにピカピカコーティング紙を使用。見る頁と書く頁との区別ができている。当たり前のことなんだけどね。

 こうやって、あれこれと何冊かの帖面を取っ換え引っ換え繰っていると、用の美ってものを見直すことになる。美しいだけではなく、実用に優れる、ってな物。この世のありとあらゆる製品がそうあるべきだけれど、中でも、建築なんぞがその代表だろうか。そうなんだけど、現実世界に目を向けると途んでもない。世間を騒がせている構造偽造連中のビルを見てご覧。つくづく、がっかりさせられますな。そこには美もなければ用もない。ないない尽くしで、放っておけば命までなくなるというじゃありませんか。


 今、我が家ではteNeuesものがブレイク中であります。手頃な値段で、用の美を提供する。家内は、Miroの小さなダイアリーを使用中。
 そもそも、teNeues製品に注目することになった切っ掛けは、Kleeのカレンダーである。LP見開きサイズで、しかも、二ヶ月分をまとめて一頁になどというせこいまねはせず、12ヶ月を存分に満喫できる。これが千円とちょいで買えるんだよ。付き合いの長い酒屋さんや電気屋さんが届けてくれたカレンダーも良いけれど、少額の出費で、一年間、気分良く眺められるのである。どうじゃい、諸君も、teNeuesのカレンダーを買う気になっただろう。Klee以外にもいかしたものがわんさかあって、選ぶのに苦労するほどだ。私自身、もう二、三種類は買いたいのだが、如何んせん、狭い長屋住まいだからなあ。

 ところで、念の為に言っておくと、teNeues、teNeuesと騒いでいる私だけれども、マージンなんぞは一切頂戴していませんよ。もっとも、くれるっていうんなら、遠慮なく貰うけどさ……っていうか、こんだけ宣伝してんだから、珈琲の一杯ぐらい奢ってくれても良いのにね……って、しかしながら、連中、日本語は読めんだろうなあ。

 だらだらずるずる書いていたら、無駄に長い、正に、用の美から程遠い文章になってしまいましたよ。情けねえ。

投稿者 zenta : 2005年12月14日 19:38

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