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2006年05月03日

クロスロード

 御存知の通り、私は外出が嫌いである。かなり執念深い外出嫌い。しかしながら、どうにもこうにもならない案件が生じ、湯島まで旅に出た。この方面を訪うのは何年振りだろうか。時間に余裕がなかったけれど夕闇迫る不忍池を暫しぼんやりと眺めてから、近隣の商店街を冷やかす。残念なことに、連休中のこととてあまりぱっとしない。

 兎にも角にも、やることをやらねばならん。半ばビジネス・ディナーのような、半ば宴会のようなものを、日本語と英語のちゃんぽんで過ごす。ちなみに、飲みものはシャンパンとスコッチのちゃんぽん。凡そ二時間半。解散する頃合いには相当に出来上がっていた私がいた。会合場所のホテルを背にくらくらと歩き出す。
 そうだ。ごく近所に友だちが始めたバーがあるではないか。呑み足りなくはないのだけれど……というより、既に十分に呑み過ぎているのは明白だけれど……こんな日でもなけりゃ文京区に立ち寄る機会はあるまい、とタクシーを停める。
 あっという間に本郷三丁目。交叉点から程近いってことは聞いているが、正確な場所がわからんので、店に電話して案内を乞おうと思う。携帯電話なんてえものは、あれですよ、人間の自由を縛るようで鬱陶しいものざんすね、などと普段は思っているのだけれど、こんな時には頗る便利だね。横断歩道の真ん中で電話ですか。はは、これが文明ってものかい。酔っ払い、調子に乗るの図。
 プルプルプル、プルルプルプル、と呼び出し音が続く。続く。続く。続く。永遠に続く。そこで、はっと気づいた。何たること、野郎、連休はのんびり休む心積もりか。

人気なきクロスロードに男あり 行く当てもなく暫し呆然

 思わず、くそ下手な一句を詠んでしまった私である。ここまで来たのに、ああ無念。しかし、ブルースマンたる私、転んでも只では起きぬ。そこで「クロスロードで暫し呆然」の心境を一節

投稿者 zenta : 2006年05月03日 03:56

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