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2006年09月06日

番号非通知

 前回は、番号非通知拒否にすればおれおれ詐欺や鬱陶しい勧誘電話が激減するであろう、というようなことを書いた。実際、我が家ではそれなりの効果を上げていると思う。但し、この制度は有料である。もっとも、ものすごい金額を請求される訳ではないので、採用する価値は十分にあるとは思う。
 それはそうなのだが、よくよく考えてみると、こんなものにお金を払うのはおかしい。そもそも、番号非通知で電話をかけられる仕組みを標準としているNTTやら何やらの電話屋一味が悪いのだ。乱暴な物謂いをすれば、このことが、匿名を悪用した詐欺やストーカーの類の犯罪や迷惑行為を少なからず助長しているのは間違いない。こんなあほな制度が罷り通っているのは日本だけだぜ、というような噂を耳にしたこともあるけれど、実際はどうなのでしょうなあ。とにもかくにも、番号非通知というシステムを撤廃すれば、おれおれ詐欺を代表とする悪の電話が、少なからず、いや、かなり減るはずだ。

 うちにISDNを引いたばかりの頃……つまり、十年ほど前のことだ……は、非通知電話を拒否するのに、何千円かの工事費と千円弱の月額費用が発生していた(ちなみに、今現在、日本テレコムに乗り替えてからは月額200円のみ)。ろくでもない制度に対抗するために、あれだけの出費をしていたのはばかみたいだが、それでも、あほたれ勧誘激減という実際的なメリットは十分に魅力的であった。そのありがたみを実感していたところで、ある日、突然思い立ち、NTTに問い合わせというか抗議というか、まあ、そんな電話をしてみたことがある。よほど暇だったのか、よほどの躁状態だったのか、酔った勢いだったのか、あるいは、その全てか、とにもかくにも、プラス一握りの義侠心、みたいな。
 電話に出た女性がしどろもどろになり、すぐに、もう少し責任ある立場の男性に回される。ところが、その人物もかなりのしどろもどろ。で、番号非通知などという犯罪を助長する制度はなくしなはれ、なくせんのやったら、ディフォルトを非通知拒否にしなはれ、というようなことを、拙者、申し述べたのでござる。なおもしばしあたふたした後の、先方の言い訳がふるっていた。非通知のサービスは一般のお客様が企業にクレームの電話を入れる際の匿名性を確保するためのもので……えええ、あああ、あのお、このようなクレームはお客様が初めてですから普通のお客様には喜んでもらっているはずです……彼のあたふたを辛うじて日本語に翻訳すると、概ねそんなようなことのようであった。ほぼ意味不明だし、それって、遠回しに、あんたみたいなのは普通じゃない、つまり、異常者だって言いたいわけかい、と突っ込みたいぐらいだった。ま、いいんだけど。
 「でもねえ、うちでは、番号非通知拒否にしたら変な電話がかかってこなくなりましたよ」と言うと「それはおめでとうございます……ちょっとお待ち下さい……非通知の制度に関しては……ちょっとお待ち下さい……ナンタラカンタラ諮問委員会で決定したことでありまして……ちょっとお待ち下さい……私どもNTTではどうにもできないのです」などというような言い訳が始まった。明らかに受話器の向こうでは数人で話し合っているような様子。そのうちに先方の混乱が度を越してきて、それ以上話し合う気もなくなり切ってしまったのだが、今になって考えると、あのあほっぽい不明瞭極まりない応答は、私の意気を挫くための作戦だったのではないか、とも思えてきた。そんなことはないか。でも、万々が一、そうだったのなら、彼のあたふた振りは賞を総嘗めするような何とも見事な演技だったと言わざるを得ない。

 今、全く同じことをNTTに問い合わせたら、どんな答えが返ってくるだろう。相変わらずただただあたふたか。それとも、もはやマニュアルが用意されているだろうか。

投稿者 zenta : 2006年09月06日 23:21

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