2007年01月09日
I never thought I could do it.
正月、初めて梨の木の剪定(せんてい)の真似事をしようとした。ずっと自分などの踏み入っていい世界ではないと思っていた。案の定、どの枝をどう切っていいのか皆目わからない。お手上げ。
正しく為された剪定後の枝振りは美しいと思う。官能的とさえ言っていい、とか言ってる俺、東京まで出て覚えてきたのはそんなことか、って、どうもすいませんでした。いずれにせよ、適度の果実を得たい実利と美は両立するのだ。ただし神さま、お天道さんまかせではありますが。
昨日、成人の日。新宿から京王線に乗った。近頃読んでいるカポーティの『In Cold Blood(冷血)』を開くと、四人を殺した二人組の一人がこんなセリフを吐いている。
“I never thought I could do it.”
「まさか俺がやれるとは思わなかったよ」
目の前には新成人。晴着姿の娘が寄り添う彼氏は、もしかして、前代未聞の勇気をもってみごと告白を成就させたのだろうか。
列車が地上に出るところすぐ右側は、例の21才の兄による20才の妹殺しの現場。何人かの乗客がそれとなく意識しているのがわかる。まだ情報が少くて何もわからないが、あるいはそのような“強烈で性急な”動機もあったのだろうか。彼の実利と切り刻み。エクスタシー? 神のみぞ知る? なんにもわからない。
投稿者 shachi : 2007年01月09日 03:19
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